• 上総國一之宮 玉前神社

【読み物】「継承していくこと、それが神社として大事な役割なのです」玉前神社 伊藤神職インタビュー最終回

最終更新: 2019年5月4日


玉前神社の伊藤神職にお話を伺うスペシャルコンテンツ(全五回)の最終回です。神社界や上総十二社祭りについてお話をいただきました。過去記事は下記リンクより閲覧ください。


※インタビュー第一回

※インタビュー第二回

※インタビュー第三回

※インタビュー第四回


表参道、一の鳥居から。春分・秋分の日は出雲大社まで御来光(レイライン)が貫く。

ご参拝頂いている皆様に対しては、本当にありがたいと思っています。

ー参拝者がたくさん来ていただけるのは神様にとってもうれしい事だと思うのですが。


はい。そうですね。実はたくさんのご参拝をいただくことは神様も喜んでいるのです。ただ、一部の大きな神社さんを除いては、神社の職員数もそれほど多いわけではありません。人口の少ない地域の神社では、兼務社(けんむしゃ)と言って一名で何箇所かの社の宮司さんを兼ねているところもありますしね。

そういった状況の中で、ご参拝された方に対してお待たせすることなく対応する事は、時に難しい場合もあります。先程申し上げた通り私共は神事が最優先ですので、それ以外の事はその次という事になります。


しかし、神職として神様にお仕えする事がとても大事なことであると同時に、皆様にいかに気持ちよく参拝いただく事も、神社にとって重要な課題であるのです。


神楽。上総神楽保存会により年に七度、奉納される

ー参拝者の方々も、その辺りを理解されている方も増えてきて、愛好者同士で教え合ったりして、神社寺社に関するリテラシーも高まって来ているのではないかと思います。


ありがたい事です。この夏(平成30年)はかなりの暑さでしたが、そんな中ご参拝いただいている皆様には本当にありがたい気持ちでいっぱいです。ですから、こちらとしても出来るだけの事はしなければと思っています。また、神社側としても、色々なメディアを利用して有益な情報を発信して、お役に立てればと考えています。


ー伊勢神宮のウェブサイトは相当な情報量ですよね。先程の「お作法」などもとてもわかりやすく、動画などで発信していますね。


長い間、神社界も「黙して語らず」といった風潮もありましたが、それも変わりつつあります。神社本来の役割である「心の拠り所」として何が出来るかを日々考えていかねばなりません。そのためには、新しいものを取り入れていく勇気も必要だと思います。「残すべき、伝えていくべき」をしっかりと行うために、時代に則した方法を取り入れていくということでしょうか。



何世代にも渡り、上総十二社祭りを守ってきたのです。

ーところで、9月には上総十二社祭り※1が予定されていますが、見どころなどを教えていただければと思います。


見どころは全部です(笑)敢えて申し上げると、やはり玉垣神社と三宮神社のお神輿がこちら(玉前神社)へあがって来るところ、そして釣ヶ崎海岸にお神輿が集合する場面でしょうか。


上総十二社祭り 釣ヶ崎海岸

海岸での様子はとても迫力があるのですが、それ以上に是非とも感じて欲しいのは、多くの担ぎ手さんや町の皆さんが長い時間、何世代にも渡って、このお祭りを守ってきたことです。お祭りの歴史は文献上遡れるのは1,200年くらい前までですが、それ以上の歴史があると思われます。その長い歴史の中でこのお祭りが愛され、守られてきたことに深い感動を覚えます。


特に土日に合わせて開催している訳ではないので、町の皆さんは会社や仕事を休んで参加されています。その心意気を感じていただくと嬉しいですね。  


※1「上総十二社祭り」について詳しくはこちらから


ーご見学の方も含めて、毎年何名くらいいらっしゃるのですか?


おそらく、3,000〜4,000名くらいでしょうか。釣ヶ崎海岸が埋め尽くされんばかりの雰囲気です。お天気にも左右されますので、台風が来ないことを祈るばかりです。見学される方は、お昼頃に釣ヶ崎海岸に行かれて、次々と到着するお神輿を見守るのも良いかも知れませんね。



神職をやらせてもらっていることに深く感謝しています。

ーありがとうございます。最後の質問になるのですが、これからの神社に求められるものとは何でしょうか。


神社に限らず寺社でも同様だと思いますが、私たち神職は神社という場所を日常から一歩離れた癒やしの空間として保ち続けなければならないと思うのです。そこに身を置くことで、ホッとして落ち着く場所として。


長い歴史を持つ神社ですが、今でこそ、その価値が求められているのではないかと思います。先程の上総十二社祭りの様に、私たち神職は神社という施設を、日々の神事をコツコツと積み重ねていく事で、皆様が神様のご神徳に触れられる場所として保ち、そして後世に継承していかねばなりません。


私自身、その責を担う立場に就かせていただいたことに、深い感謝をしているのです。


ー長時間に渡り、ありがとうございました。お疲れ様でございました。


こちらこそありがとうございました。感謝しております。




※聞き手:エモーションクリエイターズ 金子明彦(神社広報担当) 

※全五回に渡って掲載をさせていただきました。お付き合いいただき誠にありがとうございました。

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